セーラの家の居間から、ウイッチテット・マウンティン（魔女のおっぱい山）が見える。 アラスカの山々は、夏でも氷河が溶けることがなく、このウイッチテット・マウンティンも大きな氷河を抱える。 セーラの友人と一泊二日で、この山に登ることになった。 ま…

ジョンとシャーロンの暮らしはシンプルそのものだ。 森のなかに、アトリエとギャラリー、山用の小屋、そして、小さな住居に二匹の猫と犬と住んでいる。 シャワーは雨水を溜め、飲み水は湧き水をタンクで運んでいる。いまだに洗濯機はなく１０キロ離れた町の…

アラスカでのこと。９月末のぐんと冷え込んだ夜、「こんな夜は９月でもオーロラが見えるんだよ」とキャリーが言った。 コーラスの帰り道だった。漆黒の闇に億万の星の海が広がり、アラスカ杉が星に届きそうに高く、高くそびえる。わたしは暗闇のなか、急いて…

月夜の道を歩く七人の子ども。子どもたちはおしゃべりしながら夜道を急いでいる。いつのまにか闇がひとりひとりのこころに巣くう不安となり、それが暴走しはじめる。『文六ちゃんがコンと咳をした。 ・・・わたしたちの中には狐が一ぴきはいっていると・・・…

アデルの友人が赴任してきた。 週明けの昼休み外にランチに出た際、新任の教師が問題のぼったくり派遣会社から来るというので、チュンポーン先生に「アデルの会社のこと、知ってますか？ 給料から70%も差し引くのよ」と言った。するとアデルが「彼には、話し…

１年２組のギムのクラスに、たこ焼きを作って持って行った。 毎週、「せんせ〜、たこやき！たこやき」と言われるたびに、「めいび〜、Next week」と答えていたが、いつになるのか先が見えないので、材料を仕入れて食べさせることにした。 「さあ、さいごにた…

ゴティ先生に頼みごとをされた。 月曜日の午後、外出先から電話が入り、「今日の高校三年生の授業を代わりにやっておいて」とのことで、相変わらず直前になってから言ってくる。インが「またあ！」とあきれている。 授業するには準備が必要だろうに、彼女は…

お得意のピザパーティ。かんたんメニューでみんなハッピーになれる。 いろんな国で食卓を囲んだ。 イタリアのベローナでは、マリナのお母さんにピザの特訓を受けた。北イタリアのピザは生地を一度焼いてからトッピングする。 アラスカのセーラの料理はフラン…

旅に出ると魅了的な人に出会う。 山や旅は自分で選択した生き方だけど、いつも自信がない。これしか成りようのなかった選択技だから、素敵な人に出会うと未知の自分に出会ったように新鮮に思う。 例えば、自称「遊び人」は、50歳で早期退職し、主夫をしなが…

昨夜、19日はロィカトーン祭りのお祭りだった。 ロィカトーン祭りは 古くスコータイ時代の11世紀に起こったもので、毎年11月の満月の夜に行われる。お祭りの目的は、水の恵みを与えてくれる水の神様への感謝と、川を汚したことへの謝罪だそう。その夜は、「…

He had alot of success climbing in the High Sierra, with Haines friends and old Yosemite friends 7summit HP: http://web.me.com/dreamispower/index/Welcome.htmlPhoto by John

アラスカのジョンから写真が届いた。 夏の終わりに、友人とあちこちクライミングに出かけていたそうだ。今年は新しい壁にチャレンジして成功を収めたそう。おめでとう、ジョン！ ２年前の夏、２ヶ月間をアラスカで過ごした。 ジョンに会うのは二度目で、８年…

中学三年生のトーンが日本語コンテストに出るので、１時間離れた隣町の学校に出かけた。11時から開催の予定だというのに、早朝７時半に集合する。タイ時間は当てにならないからなぁ、と思っていたら、案の定、生徒も教師も集まらず出発したのは９時すぎだっ…

てつがくっていったいなに？ と思っているライオンとかたつむりのお話。 ふたりの会話がずれているような、合っているような？ てつがくのライオン/工藤直子 ライオンは「てつがく」が気に入っている。 かたつむりが、ライオンというのは獣の王で哲学的な様…

アデルを派遣している会社がサラリーの70%を差し引くと言う。「えっ、17%じゃなくて？ 70%？」と思わず聞き返した。 「お〜まい、がぁど！」とインが言った。 「どろぼう会社だね！いったい何処で見つけたの？」とわたしが大きな声を出すと、 「インターネッ…

・*:.あいたくて／工藤直子*・゜工藤直子のこの詩が好きだ。ーーー著作権の問題で削除します。 7summit HP: http://web.me.com/dreamispower/index/Welcome.html

しばらく、潮の匂いをかいでいない。 工藤直子の詩、「ともだちは海のにおい」を思い出ししている。いるかとくじらが友達になるお話だ。海のはじまり「ひとはみな心のなかに 海をひとつ もっている ････････････ おそらく むかし なにが悲しいのかわからない…

陽が昇るまえの清寂とペパーミントブルーの風景。 どこにいても、どんなときにも朝はやってきて、こころのはしっこに希望を届けてくれる。 もつれた糸がほどけない夜にも、明日になったら糸口が見つかるかも、と明日に希望を託す。 そして、朝はかならずやっ…

ゴティ先生に高校生の授業を頼まれた。 「結婚式に出席するから、よろしくおねがいします」とのことだ。「明日は、タイのいい日なのでたくさん結婚式のある日ですよ〜」教えてくれた。 どうでもいいけど、そんな決まっている予定なら早く言ってほしいよね。…

一年生の女子が着物を見たいという。 まだ、動詞は教えていないのに「せんせ〜、きもの、みる」と言って目を指した。いつもボードの前で言う、「はい、みてください（かるなdu~）の言葉で覚えたんだね。 そのひとことで着物をお蔵入りするのは止め、生徒に着…

教室に着物を展示した。 きっと喜ぶだろう、と思ってよく見えるように黒板の横に竹のハンガーを渡し着物を下げた。しかし、ゴティ先生は「あら、きれい」と言ったきりでなんの反応もない。中学３年生も興味がないらしく着物の前を素通りした。高校生くらいに…

中学生の代表が副校長の娘だ。 彼女はいつも授業をさぼるか、出席を取るといつも教室から消えるかのどちらかだ。なぜ彼女を選んだのか？他に真面目な生徒がたくさんいるのに、と思う。 彼女にスピーチの原稿を渡したが、一度も練習に来ない。明日の朝会では…

京都の呉服商の友人から、かんたんお太鼓結びを教えてもらった。事前に帯を作っておいて、ほぃと背負うだけ。 帰国中、南商店の大将には高価な総絞りの振り袖を寄贈していただいた。札幌のローマン屋で開かれた展示会にお邪魔して、着物と帯をいただき、見た…

今日、土曜日に学校で盛大なパーティが開かれるという。 １週間前から正面玄関にステージが作られ、その前の芝生の広場にはテーブルがセッティングされた。大型スクリーンが３台と、これまたでかいスピーカーとタワーの上にはライティングの設置された。まる…

昨日授業の準備をしていたら、ゴティ先生に「タイ語の時間と授業の変更してください」と言われた。 タイ語の先生が用事があるので、午前中の私の時間と変えてほしいと言うことだ。午後の授業に変更されると、生徒は眠くなるし、できれば変えたくない。中国語…

10月分のサラリーをもらっていないのでインと事務室に出かけた。 公務員の先生たちには、先週末に支払われている。外国人教師は生徒の授業料でまかなわれているので、月末が土日に重なると翌月まわしになる。ところが、もらいに行ったら４日分しかない。「え…

アデルに笑顔が戻った。 笑うととてもきれいなお嬢さんだ。ブロンドの髪と透き通るような白い膚はアジア人のなかでは華やかに目立つ。学校は白い百合の花が咲いたように、ぽっと明るくなった。 まだ大学でサイコロジーの勉強している途中で、１年のブランク…

昨日、日本語スピーチのコンテストの代表の生徒が職員室にやって来た。 高校１年生の女生徒だ。何を話したいかを訊いてスピーチの原稿を作り直した。ひらがなが読めないので、下にローマ字表記をいれた。時間がなくなり、続きを放課後に練習することにした。…

スコットランドから英語教師が赴任して来た。 大学卒業したての若い女性でニコリともしない。なんだか悲しそうなので「どうしたの？」と訊くとアパートに蜘蛛やらヤモリがいて眠れないと言う。だいじょうぶかなぁ。 翌日、夕飯を誘いにいくと、部屋は汚いし…