見せかけだけ

 表面だけ取り繕ってごまかすのはタイ人の得意技。
パクチー、ろ〜いな〜か」の文字どおりの意味は「パクチーを浮かべる」だそう。
 タイ料理にグリーンの葉っぱを添えると美味しそうに見える、ということでなんにでもパクチーやミントの葉っぱを千切って入れる。その上にどばどばと砂糖や唐辛子ソースの瓶を逆さにしていれ、ガシャガシャとかき混ぜる。味も美しさもあったもんじゃない、と思うのはわたしが日本人だからか?

 「微笑みの国、タイ」と言われるようにタイ人は笑顔が美しい。けれど、1年も経つとその楽屋裏が見えてしまう。家も服装も見かけだけを取り繕い、中身がない。家はプラスチックのものだらけだし、外も車の中もゴミだらけ。靴も服もすぐに破れるから、結果的にゴミが増える。おしゃれだが、安物の靴やバック、アクセサリーで見かけを飾る。使い込んだ皮の美しさなんて分からないのだ。
 学校の前に銀行が建設中で毎日のように見ていたがその雑さ加減におどろいた。外壁の積んだブロックには鉄骨がまばらに入っているだけ。1ヶ月もすると銀行らしき外観が出来上がり手抜き工事じゃない?と素人目にも危ないんじゃないかと思った。地震がない国なんだね。
 もちろん、勤めている学校も建物の外観とガーデンだけは美しいが、中はおんぼろでインターネットもつながらない。なんとかならんのかね。