お盆


 ご先祖さまの霊がこの世に帰る日。マイ仏壇に盆菓子とお花を供えお香を焚いた。
亡くなった友人も多いので、今日は一日懐かしい友人を偲び、日頃の罰当たりを反省しよう。


 私は仏教徒ではないが仏教国に好感を持っている。祖母が熱心な浄土真宗で、ばあちゃん子だったのでお寺に出入りするのが好きな子供だった。絵本代わりに地獄絵や鬼子母神の幻燈会や法話を楽しみにしていて、結婚式より年寄りが集まる葬式が好きだった。


 その昔、小さな村には映画館があって、わたしは祖母に付いて「親鸞」の映画も見に行った。
映画館には村のお年寄りがお寺詣りのように集まり、親鸞が開眼するシーンで映画館はお経で満たされた。子供ながら有り難い映画なんだと思っていた。


 登山のためネパール通いをし、最近まで仏教国タイで日本語教師をしていた。
日本の仏教とは違って、チベット仏教もタイの仏教も人々の暮らしに即していて仏教の行事で一年間が過ぎていく。日本にはない懐かしさを感じていた。

 その延長に大谷大学があり、仏教について学べるかな?と思ったら、様子が違った。大谷大学真宗大谷派東本願寺親鸞聖人を元祖としているから、我が家の浄土真宗と信仰の対象は同じであり、その違いや仏教の歴史を学ぶと思っていたのが全くの見当違いだったのだ。
 毎週、学生の悩みプリントを配布して、生徒に読ませ回答させる。すべての問題をブッタの方式に当てはめて解決しようとし、信仰の押し売りも甚だしい...と憂鬱だった。「大谷学」は必修科目なので全生徒が履修しなければならない。


 ここまで生きて、ブッタの方式に当てはめて悩みを解決しようとは思わないし、あれば自分で考えて解決したい、と思うのは罰当たりなことか?ーーーはあ、しんどい4ヶ月間でしたわ。