共同制作


 授業の一環として、芸術学部の各学科が合同で取り組むオペラ公演がある。
今年の演目はモーツアルトの「コジ・ファン・トゥッテ」老哲学者が姉妹の恋人に対する忠義心を疑って、策略を巡らし実践をする話。テーマは「本物の愛とは?」


 音楽学部の学生が演劇と演奏を担当し、美術学部の学生が背景と衣装、小道具を担当する。メディアの学生が舞台照明とスクリーンの投影をする。
 まずは、前年度までのオペラをかいつまんで見てから、題目のオペラ公演を鑑賞する。古典から現代までの時代を設定したさまざまなオペラ公演があり、成功は演出家の腕にかかる。各学科をミックスしたグループに分かれてデスカッションし、アイデアを発表する。
 結果は、現代のイタリア(1970年代)で背景は海。人物をカラーリングしてわかりやすくし、現代風パロディ劇にすることになった。もちろん、台本はプロの演出家が作成する。


 卒業制作以上に大変な科目で、なかには泣き出す生徒もいて「地獄の共同制作」と言われているそうな。その分、感動もひとしおだとか。
 共同制作はコミニュケーション能力が必要とされる。いろんな人間と関わり合いを持つことは、これから社会に出る若者にとって役立つ授業だと思う。