ウルフ・スタルク-----スェーデン文学


 ラジオ講座で「大人が味わうスェーデン文学」を聴いていた。訳者でもある菱木晃子さんの、ちよっと震えた北欧の白夜みたいに澄んだ声が好きだった。


 人間にとって普遍的な家族関係や老人問題を子供の視点から描かれていて、大人から子供まで楽しめる。シニカルさをユーモアで包み、暖かさを与えてくれる文章は一品だと思う。映画「やかまし村の子供達」のような素朴な雰囲気があるね。
 そのなかの「おじいちゃんの口笛」は老人ホームのおじいちゃんと友達になる話で、ほろっとする。アンナ・ヘルグンドの挿絵も素敵。


 人生100年の時代と言われている。
今年生まれた赤ちゃんの半数は100歳を超えて生きると予測されている。長寿イコール幸福なことなんだろうか?
 経済的なことや健康のこと、家族が抱える介護問題を含め不安の種の方が多く、山で逝った仲間を羨ましく思うことがある。長生きしそうと言われて嬉しい人はいるんだろうか、と絵本を読んで考えた次第。