絵になってない?


 子鹿の頭骨をジョージア・オキーフバージョンで描く事にした。
頭骨にサクラソウを挿してデッサンし水彩で彩色していたが骨の質感を出すのが難しく、色を塗り込んでいるうちに平面的になってしまった。さらに陰影を付けようと色を重ねていたらコテコテになってしまい、どう見ても水彩画には見えない。


 デザインの先生には「輪廻転生みたいで、怖いね」と言われ、「えっ? 可愛いじゃん....」とつぶやいたが、普通の人は骨に怖いイメージがあるのかもしれない。考古学の仕事をしていたので動物の骨は見慣れているし、医科大学で人間の頭骨の接合をしたこともあるから骨になんの違和感もない。それどころか、骨にはすべてをそぎ落とされた美しさを感じている。


 悪戦苦闘している絵を見ていた園長先生が「絵になってない。これなら水彩の良さがないからガッシュの方がいいかも」ということで、水彩の上からアクリル絵の具を塗り込めた。なんども塗りたくっているうちに画用紙に穴が空いてしまい最悪なことに....。


 ーーーま、これはこれでいいことにして、再度水彩で子鹿の頭骨にトライすることにしたわ。