元職場女子会


 考古学の整理作業で知り合った、元同僚と持ち寄りランチ。
タイ滞在中、手作り味噌をいただいたり、新聞や本を送っていただいたりとお世話になったので我が家に招待したのに、郊外に住む友人がリタイアし時間ができたとのことで、こちらがお邪魔することになってしまった。


 新緑に囲まれたこじんまりしたお宅はきちんと整理され、花壇の手入れも行き届いて、居心地がいい。
近くで採ったフキやヨモギ団子など、ワインとともに山菜づくしの手料理が並べられ、わあ〜!と歓声を上げる。


 いま、何してるの?と尋ねると、ご主人の通勤に付き合って、朝夕3時間以上歩くという。
なんとなんと、朝、ご飯を食べてご主人の職場まで40分一緒に歩き、同じ時間をかけて家に戻り、また夕方40分歩いてご主人を迎えに行って、一緒に帰宅するんだって。いままで忙しかったから、歩きながら話すのが楽しいのよ、と嬉しそうだ。
 ーーーえっ、毎日家にいるのに? なんて素敵なご夫婦でしょう!


 そして、子供が独立したので、夫婦それぞれの個室を作ったという。 
 ーーーおお、なんと素晴らしい発想だろう。
夫婦でもしたいことは違うし、ベッドで本を読んだりできるし、寝返りも気にならないから熟睡できるという。部屋はとなり合わせなので、寝息も聞こえるし、トイレに行ったのもわかるから心配はないとのことだ。夫婦でも一人の時間は大事だわ、とさらりとしている。
 外国のお宅だと、寝室の他にそれぞれの部屋があるけれど、日本の家ではなかなかスペースが許さない。


 玄関や居間、階段には絵や花が置かれ、キッチンやバスルームも整理されていて気持ちが良い。掃除の行き届いた気持ちのよい家で暮らす快適さと、手料理と会話、全てが完璧に揃っている。


 シニアライフをどう快適に過ごすか、という話題に盛り上がった午後でした。