「あしたも、こはるびより」 つばた英子&しゅういち


 友人から誕生日にいただいたこの本をベッドのサイドテーブルの上に置き、眠るときに数ページ目を通してからスタンドを消す。83歳と86歳の菜園暮らしを綴った本は開くたびに幸せな気持ちになり、そのまま穏やかに眠りにつくことができる。


 で、今年は日本にいるので、ベランダ菜園をすることにした。
旦那がリタイアして畑仕事に精を出しているという友人に話したら、畑の土を運んできてくれた。さっそく、自転車で菜園用のコンテナを買いに行く。
 チソやナス、ミニトマトの苗を買おうと選別していたら、後ろから「まだ寒いから、もう少し後がいいね...」という声が聞こえてきて、ーーーそっか、ベランダは風も強いしね、と苗を元に戻した。


 そして、英子さんを見習って、部屋を夏用に模様替えした。
ここ10年ほど、年中壁にかけてあるアフリカの泥染の布を外して、ミロの絵のボスターをかけ、テーブルにソファと同系色のテーブルクロスをかけたら軽く爽やかな感じになった。


 子供部屋のベッドの布団を片付け、壁にシャワーカーテンをかけてベッドの上を油彩用のブースにした。低い大型サイズの息子のベッドは下に50号くらいのキャンバスも入れられて、我ながらいいアイデアだと思う。
 油彩用に膝に刺し子をしたスポーツパンツを履き、元職場で使用して白衣を着て、施術用のゴム手袋をはめて完全装備。


 手洗い用の石鹸も別にした。いままで一個の石鹸で手も顔も洗っていたが瞼の裏側にものもらいができた。油彩絵の具はカドミュムなどの薬品が入っているから、洗顔は別にしたほうがいいと気がついた。
 以前、草木染めをしていたことがあり、草木染めは鉱物で媒染して色を引き出すので、キッチンのガスで煮出すのは子供たちの健康に良くないと止めた。それで、機織りのアトリエが欲しくなり、藻岩山の麓に土地を購入したのだけど、山に登るようになってプランは頓挫し、海外の山に消えてしまった。
 

 いま始めた油彩もどうなるか分からないんだけどね、まあやってみようじゃないの....。