糸紡ぎ


 終日、雪降りの日曜日。
押入れを整理していたら、原毛が残っていたので糸車を出して糸紡ぎを始めた。糸にしておけば手が空いた時になにか編むことができる。
 母はよく編み物をしていて、わたしも小学生のとき手袋を編むことを教ったが、いつも片方できたら飽きてしまい、もう片方は母が編んでいた。それでも、毎年、母のそばで手袋を編んだ。


 もちろん、結婚してからは家族にセーターや手袋、靴下を編んだ。
子供達はボロボロと小さな雪玉が付く手袋は手が冷たくならない、とお気に入りだった。息子は冬の新聞配達にもしていたし、高校のとき、通学にはめていた手袋は指が縮んだので、今はわたしの山用インナーになっている。


 山用の靴下はオイルを少し残すと濡れないし温かい。そして、電動の糸車で紡いだほうが丈夫で長持ちする。
手回しの糸車は回転が遅いので柔らかくてふっくらした糸ができる。その糸で編んだセーターはふんわりとして軽い。いまはみんなフリースだけどセーターのほうが温かいし、省エネになるわね。


 と、思いながら糸紡ぎをしている。