窓からの景色


 
 朝目覚めると、ん?ここはどこだ、と一瞬思う。タイだとベットの上ですぐストレッチができるのに、空気の冷たさに布団をはねのける勇気がない。ぬくっとした布団でグズグズしている。サイドテーブルのパソコンで新聞を読みメールをチェックし、そのうちお腹が空いて起きだす。


 窓からは天気が良いと、ムイネから手稲山まで見渡せ、心が晴れ晴れとする。
残念なのは目の前に10階建のマンションが建ち、真ん中にある藻岩山が見えないことだ。夏は天気予報代わりになったし、冬は市民スキー場の明かりがクリスマスツリーのように煌めく。


 山を眺めながらコーヒーを飲む。これはタイにはない至福の時間。
長年の友人に電話し近況報告をする。わたしの世代はネットをしない人が多いので連絡は電話になる。音なしのメールよりも声はその人の存在が伝わるからいい。今や、世界中が音なしのネットワークで繋がっていて、どこの国でも人々は電車の中でスマホを見ている。日々、ネットの恩恵に預かっていながらも、なんだかなぁと思う。



 帰国して、家族で食事したり、友人と話したりする時間は何物にも代えがたい。