漬物の差し入れ


 朝、「ニーハオ!」とお隣さんの声がする。
ドアを開けるとお隣りのお母さんが漬物ビンを持って立っていた。食べる真似をするので「謝謝!」とお椀を差し出すと、キャベツの漬物をてんこ盛りに入れてくれた。
 朝はいつもトースト&コーヒーなんだけれど、浅漬けなのでサラダ代わりにちょうどいい。パリパリして美味しかったわ〜!


 以前、チャールズ&ミックがお隣さんだった時、朝、時々ドアの外で「おはようございます〜!」と声がした。
開けると、背の高いチャールズがモーニングサービスのようにうやうやしく、ブレイクファーストの大皿と、入れ立てコーヒーのマグカップ片手に立っていて、感激だった。ーーー日本ではこんなことはあり得ないもん。一人暮らしだからね。


 ちょうど、ミックからメールが入って、読んでいたところだった。
彼らはパートの仕事を見つけて働いているんだけど、時には帰宅が夜中になることもあって大変だという。アメリカは物価も高いし、いくらチャールズの父親の家だから家賃がかからないといっても、何かと物入りだろうと思う。
 南国育ちのミックは、寒くて寒くて大変!とのことで、クリスマスに雪が降ると言っているから、心配だと言う。多分、喘息が起きないかと心配なんだろうと思う。
「かえって、雪が降ると暖かいんだよ」とメールしたけど、寒さにも仕事にも慣れるまで大変だろう。


 わたしも人のことを心配している場合じゃない。ーーー北海道は来週まで雪マークだそうで、フライトは月曜日だ。
15年ぶりの大雪で、千歳空港ではフライトがキャンセルになり、1000人もの人が空港で夜を明かしたそうな。山菜採りのお師匠さんもタイ行きのフライトがソウルで足止めになり、5つ星ホテルに泊まっている、とメールが入った。「おお、ラッキーじゃん」と笑ったけど、もし、出張のフライトだったらシリアスな問題で、とても笑えないね。


 雪も、台風も地震もないタイはいい国なのかも....と思う。
余計な心配することもなく、その辺にバナナが生っているし、手を伸ばせばいいだけだものね。だから、こうのんびりしているんだろうね。


バナナといえば、2年前かな? タイ人の先生が窓の外に植えたバナナが、ふさふさとした5メートルもの大木になって実をつけている。ーーーこんなに成長が早いとは思わんかった。