Shelpas:The True Heroes of Mount Everest

 
 日曜日。今日、午後から生徒を連れてスピーチの練習に来ると言っていたニコくんが来ない。
連絡もなく、またすっぽかしかな? と思いながら、エベレストのドキュメンタリー番組を観ていた。


 ネパールが恋しくなるとヒマラヤのドキュメンタリー番組を観る。新しい「Shelpa」の番組がアップロードされていて、目が釘付けになった。
 地球温暖化が進んで、氷河が後退し、雪崩がひっきりなしに起こり、ルート工作をするシェルパは常に危険と隣り合わせにある。目の前で仲間が死に、もうこの仕事は辞めようと思いながら、それでも家族や子供の教育のためにと危険な仕事を続けている。


 ドルチェ・シェルパは家が貧しく学校に行けなかった。兄弟がカトマンズの学校へ行くために村を降りた時、ひとり残ってヤクの世話をしていたのだと、涙を浮かべながら話していた。小さかったときの寂しさと悔しさが蘇ったのだろう。
 

 シェルパにとってエベレストは高収入を得ることができる魅力的な仕事である。
Camp1〜Camp4までのキャンプ設営の荷揚げがあり、高度が上がるほど日当が高くなる。1シーズンで1年分の収入(3000US$〜5000US$)が得られるのだ。しかしながら、それは危険と隣り合わせの高度で、26キロもの荷揚げに値する額だろうか?ーーーエージェントによっては、ものすごく安い日当で雇っている場合もある。


 私も登頂者の一人であり、もちろんシェルパのサポートで登らせてもらったのである。
シェルパがレート工作をし、荷揚げをしてテント設営をした。3人のシェルパはよく働いてくれたし、親身にサパートしてくれたことは一生忘れることができない。
 そう、このドキュメントのように、ヒマラヤにおいて、本当のヒーローはシェルパたちなのである。


 ターメの村に住むドルチェ・シェルパの奥さんは、天候が悪くなるたびに旦那さんの心配をしている。
「おんまにぺめふむ」というマントラの祈りの言葉は「あなたと共にいられますように」という意味なのだそうだ。
 ーーーなんだか、心が寂とした。