「蜘蛛の糸」芥川龍之介


 先週から2週続けて「蜘蛛の糸」を読んでいる。
作品が短いので、原文のままの文章に「かな」を振って読んでもらうことにした。文章の言い回しが敬語なので、です/ます に言い慣れている生徒には難しいかな? と思ったんだけど、文章のリズムを楽しんでもらうことにした。


 問題はストーリーをまとめることができるか、どうかだ。
すでに「たけとりものがたり」「たなばた」「ゆきおんな」と三つの物語を読み、アニメーションをみて「あらすじ」を書いてもらったが、38名のうち理解しているのは8名ほどで、あとは物語の一部分をそのままコピーするか、携帯のサイトでリサーチして、翻訳にかけたものをコピーしている。おかしな漢字に意味不明の文章は日本語でも中国語でもない。
 ーーーなんどいってもダメなんだなぁ....。ソンクラーン(水掛祭り)みたいに頭から水かけたくなるわ。


 今日もめげずに「蜘蛛の糸」の「あらすじ」を漫画家のように絵を描いて教える。こうなったら、トコトン、わかるまでやってやろうじゃないの!と尻まくりの気分だ。
 生徒に出来事を順番に言ってもらい、番号をつける。一番から番号順に読んでもらい。これが「あらすじ」です、と言う。その上で、あらすじを四回説明。読む前に一度、読み終わって二度目、仕上げのアニメーションを見終わって三度目、最後にみんなに当てて繰り返してもらって四度目。これで、あらすじが書けていなかったら、ほんとに水鉄砲持って行くぞ!


 「蜘蛛の糸」はお釈迦さまと大泥棒の話。大泥棒のカンダタは生前一度だけ蜘蛛を助け、いいことをした。お釈迦さまがそれを見て、地獄へ蜘蛛の糸を垂らしてあげるのだが、カンダタが登っていく後から罪人がうようよとついてきて、カンダタは自分が助かりたいばかりに糸を切ってしまう。極楽の手前でカンダタは地獄へまっさかさま。


 タイの生徒は仏教徒で、高校まで仏教の時間があるし、極楽と地獄も理解していると思う。アニメーションは初めと終わりの2回見たのだけど、2回目はうるさい生徒もシーンとして、スクリーンを見ていた。ーーーねがわくば、「あらすじ」が書けていますように、と祈る。


ランの花が40B(120円)でミニサボテンが20B(60円)