4年生


 トレーニングの帰り、自転車に乗って走り出したら、「せんせ〜!」とだれかが呼ぶので、止めて振り返ったらニコくんだ。
「あれ〜、ニコくん、ひさしぶりね〜! 研修はなにしているの?」と聞く。「なにもしていません」という。
 4年生は一年間の研修期間があり、大学での勉強はなしだ。みんな、それぞれ、ホテルや学校やレストランで研修をしている。


 重ねて、「え、どうして?カンボジアにかえるの?」と聞くと
「いいえ、かえりません。わたしは日本語をおしえています」とにこにこしている。
「えっ?ほんとう! どこでおしえていますか?」急に、できの悪い子が心配になる。
「高校でおしえています」というので、「なにをおしえていますか? あいさつ?」ーーーあいさつくらいなら、なんとかなるかもと思う。


 よく、きくと2日間の日本語教師体験で、歌を教えたという。
「<きらきら星>を日本語でおしえました」と、得意そうに歌ってくれた。YouTubeで練習したんだそうで、きれいな発音でしたね。ーーーははははは、杞憂でした。


「タイの生徒はカエルが好きだから、カエルのうたをおしえてあげる!」とお互いに自転車にまたがったまま、
『かえるのうたがきこえてくるよ〜、ケロ、ケロ、ケロ、ケロ、......』とカエルのうたの練習。
 八分音符のケロケロケロケロクァクァクァ〜♪ がうまくできなくて、二人でけろけろやっていたら、みんなが笑って通った。ーーー平和でいいわ〜♪ けろろけろ.....。


マンゴスチンがおいしくなりました