ラインでお墓まいり

 墓守りをしている妹がラインにお墓をUP。妹弟やその子供たち、孫たちが手を合わせている写真を返信していた。
 ーーーおお、なんと便利な世の中になったんだろう、ラインでお墓まいりができるなんて.....。タイからも、なむあみだぶつ。



 お盆はご先祖さまがこの世に帰ってくる日。子供の頃、お盆の行事は夏の楽しいイベントだった。
祖母は信心深い人で、8月に入ると仏壇のろうそく立てや真鍮の仏具を磨き、ひな壇のような豪華な祭壇をこしらえ、仏壇やお墓に供えるために春から育てた花を供え、きうりやナスで作ったやさいの動物を飾った。迎え盆には道の真ん中に点々と盛砂をし、迎え火を焚き、家の前に提灯を下げた。
 母は毎年、私たち三姉妹に新しい浴衣を縫ってくれたし、玄関には新しい下駄が並んだ。家中が華やいで、ウキウキした気分になったものだ。
 

 昨年、「日本文化」の授業で日本の行事を紹介し、後期は8月からなので、お盆から始めた。
そのとき、仏壇にどうしてやさいの動物を供えるのか知らなかった。動画を検索したり、お盆の由来などを調べていたら、馬はご先祖がはやくこの世に来るように、牛はゆっくり帰っていくように、との意味があることを知った。ーーーなるほどねぇ....。きうりは馬でナスが牛なんだろうか?


 3年生はやんちゃで勉強しないし、どうなるんだろう?と思っていた。
ひらがなとカタカナがようやっと読めるようになった生徒に、日本文化を紹介し、プレゼンの仕方を教えた。昨年度の後期はスピーキングも担当したので、週3回の授業があった。そのせいか、片言の会話ができるようになり、しんみりと嬉しい。


 チリも積もれば山となるっていうじゃん。ちまちまとした努力が実を結ぶってことよね。