マットレス泥棒の謝罪

授業をしてたら、外国人担当のボスが来た。
「ちょっと、いい?」と聞くので、生徒に用事があるのかと思い「どうぞ、お入りください」と一歩下がったら、わたしに用事だった。マットレスの件を持ち出して、「失礼なことをして、たいへん申し訳なかった」と低姿勢だ。


 はは〜ん、お隣りのチャールズがぼろぼろのマットレスの写真を撮り、プリントアウトしてタイ人の教師とイギリス人教師に見せて回ったのだ。
 ミックも「Makiは50カ国以上も旅をしていて、いろいろな国の文化と習慣を知っている人なのに、勝手に部屋に入ってマットレスを持ち去るなんて、失礼にもほどがある。恥ずかしいことだ」と言ったんだそうな。ーーーそうそう、謝りに来たのは二人が肩を持ってくれたおかげなのだ。こころから感謝する。


 そして、昨日。授業中に電話が鳴った。
しかし、スマホに変えたばかりで押しても引いても電話に出られない。生徒に「これどうするの?」と聞くと、さっと指でスライドさせてくれた。「おお、ありがとよ!」

 電話は外国人担当の会計係からで、「ビザと労働許可書のお金が出たから取りに来て」との朗報だった。
やっぜ!昨日、外国人担当のボスに催促したばかりだった。強気に出たのが労をなしたと見える。ありがたい!


 というわけで、人生はいいことと悪いことが荒縄のように撚りあってできている。今日は冴えない日でも、新しい明日がやってくる。「風とともに去りぬ」のスカーレットのようにね。