Mt. Everest: David Sharp


 ソンクラーン(水かけ祭り)も近くなり、猛烈な暑さだ。脳みそが茹であがりそう.....。エアコンの修理について、誰彼となく頼みこんでみるが、改善の兆しなし。


 いままで雪山に登り続け、寒い思いをしたので神様が暑さをプレゼントしてくれたのかもしれない。究極の寒さは南極のビンソンマシーフで、骨まで凍りそうだった。家に戻っても凍った体はしばらく元に戻らなかったね。


 今日はエベレスト(チベットサイド)の究極の寒さの中で動けなくなり、救助されることなく見捨てられたイギリスの登山家のドキュメタリー。
 2006年5月、オーストラリアの登山家、リンカーン・ホールが死んだとみなされて放置され、翌朝生還したが、彼がラッキーだったのは、その日、厚い雲に覆われて気温が高かったことだ。同じ年の5月15日、イギリスの登山家、デイヴィッド・シャープは寒さと疲労で動けなくなり、登山ルートのグリーンブーツの遺体のそばでしゃがみこんでいた。しかし、他の登山者たちは彼を助けることをせずに頂上を目指したために、論争を醸し出した。


 登山家、デイヴィッド・シャープはアジアトレッキングにABCキャンプまでの入山料として$5000しか払っておらず(公募登山は$50000)、サポートもなく単独だったこと。会社は救助体制が整っていなかったこと。最悪は装備が十分ではなかったことが問題になっている。
 また、ニュージーランドの義足の登山家とサポート隊が登頂中に、まだ生きている彼を見つけたのにもかかわらず見過ごした、と非難されている。ーーー彼は公募登山で有名なラッセル・プライス隊のメンバーだった。


 2004年、わたしは同じ、チベットサイドからエベレストに登頂したが、下山中に酸素ボンベが開かないトラブルで、疲労困憊して動けなくなった。グリーンブーツの上だったから8500mくらいの地点だったと思う。一時は生存をあきらめたが、シェルパが8300mの第4キャンプまで戻り、新しいボンベを運んでくれて助かったのだ。


 山はエゴィステックな自分を浮き彫りにさせる。そういう意味で、山は絶対的な存在であり、荘厳であり続ける。人間がいかに弱い存在であるかを見せ付けられるのだ。わたしは自然の偉大さに敬服する。そして、親身になってサポートしてくれたシェルパに心から感謝する。



Mt. Everest: David Sharp: https://ja.wikipedia.org/wiki/デイヴィッド・シャープ
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ドキュメンタリー「Dying For Everest」 https://youtu.be/sklqc1MQU3I