冷蔵庫


 冷蔵庫の冷凍室が凍りつき、氷が盛り上がってドアが閉まらなくなるので、月に一度電源を切って氷を割っている。
氷が緩んだところでハサミで突き、氷の塊を取りはずしているのだが、手が冷たくて難儀な作業だ。
   ーーーいまどき、こんな冷蔵庫なんてありえないだろう、ちゃんとした製品はないんだろうかね。



 何時間も格闘していると、「もう、タイはいいわ。帰ろ......」と思い、先のない人生を無駄にしている気分になる。
半日がかりできれいにして、さて電源を入れたら、全然、冷たくならない。モーターの音はするんだけれど、製氷皿はいつまでたっても水のまま。


 
 外気温が41度だというのにエアコンも壊れていて、食料は明日までもたないだろう。あわてて、肉や魚を全部調理した。
寮の舎監に見てもらったら「明日までまって」という。エアコンだって、毎日そう言いながら直してくれないし、冷蔵庫とエアコンのないタイの暮らしは考えられない。



 以前も同じことがあり、今の冷蔵庫は日本語オフィスのものを借りて使っているものだ。予備の冷蔵庫なんてないだろうし、どうなるんだろう?