ステーション市場


 駅裏の市場に行った。
駅のホームは通学の生徒たちが座り込み、いつ来るとも知れない列車を待ちながら、おしゃべりに余念がない。列車が入っても乗る風でもない。列車は長々と停車していて、乗降口が通路になっている。駅裏の市場に行く人は一度列車に乗り込んでから、反対側に降りている。なんとも、のどかな風景だ。


 駅裏は夕方になると屋台がオープンして賑やか。勤め帰りの人たちであふれている。
マンゴー&カオニャオ(もち米)のおやつを見つけた。カオニャオをココナッツミルクで煮て、上にマンゴーを乗せてある。甘いのは苦手なんだけれど、「この甘さは許す!」って具合に美味しい。見つけるとすぐ買っちゃうね。


 もうひとつ、気に入っているものがある。
小魚の干物で、ちょっと甘くてびっしり白ゴマをまぶしてある。魚は「泥臭いから...」と食べないんだけど、これは病みつきになる。焼酎のレモン割りにぴったりだね。だけど、いつもどこにでもあるわけではなくて、気まぐれのように売っているので、これも見つけた時は、すぐに買う。


 美味しいものを手に入れて帰る。ーーーわたしたちのささやかな幸せだね。


[[