アラスカの友人


 アラスカの友人夫婦が北海道へやってきた。わたしはタイに住んでいるので、山友にお願いして、彼女の自宅に居候させてもらっている。

 アーチストであり山ガイドでもあるジョンを通して彼らと知り合った。ジョンの家の壁はクライミング・ウォールになっていて山仲間が集まってくる。


 ーーーある夏。ジョンのアトリエの屋根裏部屋に居候していたわたしは、彼らと一緒にクライミングを楽しみ、7月4日の独立記念日にはジョンの家で寿司を作り、キャンプファイヤーを囲んで夏の宴を楽しんだ。そこで、ご近所さんと知り合いになり、中学生のセーラと出会い、木登りしたり、カヌーでいちご摘みに出かけたりして、ゆったりとしたアラスカの夏を満喫した。


 冬の間、アラスカの友人たちは暖かいところへ旅行したり、クライミングに行く。それなのに、彼らは厳冬期の北海道へ来たのだ。目的は旭岳に登り、山スキーを楽しむこと。ーーーちょっと、すごいじゃんね!


 ところが、日本列島がすっぽりと寒気団に覆われ、内陸の旭川は零下20度にもなったという。めちゃ、しばれましたね。もしかして、オーロラだって見られたんじゃないかしら。きっと、ヘインズに戻ったら「北海道はアラスカより寒かった〜!」というんじゃないかしらね。


 今頃、二人は山友の家でお母さまの手料理に舌鼓を打っているに違いない。実は、新年会でお母さまのおせち料理にありついて感激したばかり。ーーー山友とお母さまのおもてなしに感謝です!