Tea time


 暖かな日の午後、高校時代の友人と亡くなった友を偲ぶ。
彼は彼女が好きだった。スポーツ万能で明るくてロシアの少女のような彼女は、彼だけではなく誰にも愛された。


 出会いは中学三年生の夏。
鉱山のある隣町から、「海に行きたい」と同級生とともにやってきた彼女。肌が透き通るように白く、「なんてかわいいんだろう!」とびっくりした。
 日長一日、海に潜って遊んだ。すると、みんな真っ黒に焼けたのに彼女の肌はピンクになっただけ。外国人みたいだった。


 次に会ったのが高校の教室で、机が隣だった。
それ以来、3年間いつも机を並べていた。元気な上にやんちゃで、イタズラ好きだった。わたしたちはいつも勉強そっちのけでイタズラすることばかり考えていた。


 お寺の本堂の横の小部屋(遺体安置室)に、怖さ半分、わくわくしながら住んでいたことがある。
襖の外の紙袋にネズミが入っていたり、停電のとき手をつないで祭壇のろうそくを取りに行ったり、お供え物を学校に持って行って食べたりしていた。


 冬、彼女は雑巾を絞らないで長い廊下を拭いた。びしょぬれの廊下はすぐに凍って、和尚さんはスリッパをツルツルさせながら朝のお経をあげにやってきた。それは、和尚さんがノックもせずに襖を開けるので、彼女が考えた仕返しだった。


 そんなこんなを思い出して、楽しいひとときだった。
ーーーあちらの世界で再会したら、またイタズラして遊ぼうぜ!