三羽カラス


 
  できない組、三羽カラスのニコくん。先週は風邪で休んだので、図書館で中間試験ためのレビューをした。ところが、「日本文化」について、なにもわかってないので、がっくり......。

「文化とはなんぞや?」の授業ために、写真や映像を用意し、恐竜の時代に文化はあったかな? じゃあ、マンモスの時代は? 縄文時代は? と、たどって平安時代から現代まで、日本の歴史と文化を説明した。
 そのあとで、お盆や七五三のお祝い、いろは歌から俳句へと教えてきたのに、なあ〜んもわかってないなんてね。君の頭はどうなってんの?と思う。


 ニコくんはカンボジアの学生で正直で優しい子なんだよね。でも、それだけじゃね、生きていけないんだなと心配になる。
 日本語も英語も片言なので、日本文化を絵に描いて説明していたら、ちょうど英語が話せるカンボジアの学生がやってきた。
 「あら、ちょうどいいところに来たわ。カンボジア語に通訳してくれる?」とお願いする。



 「カンボジアには有名なアンコールワットがあるでしょう? あの遺跡はだれが作ったもの? 人間でしょう? じゃあ、恐竜の時代に文化はあった?」と聞くと「みい(ある)」と言う。ーーーもう、やんなっちゃう......。
 「じゃあ、恐竜の時代に人間がいたの?」と再び聞くと、「まい、みい(いない)」と言う。「じゃあ、文化はないでしょう?」と漫才みたいな会話を、頭よさそ〜な学生がカンボジア語に通訳してくれた。



 朝9時から11時半まで、頭が疲れた〜!
お隣さんが焼きそばを食べたいと言っていたのを思い出し、お昼、ストレス解消にラーメンを茹でて焼きそばを作った。



 やれやれな一日でしたが、通訳してくれた学生に「アメリカは日本に原爆を落としたのに、なぜ親しいのだ?」と聞かれて考えさせられた。同じ質問をアラスカのセーラにされたことがある。あのときは小泉首相で、今は安倍首相。日本はどこへ行こうとしているのか? 戦後70年間、内戦も戦争もなかった国は貴重だと思う。