長屋暮らし


 刑務所長屋暮らしも悪くない。
朝、淹れたてのコーヒーの差し入れから始まり、お昼ごはんに呼ばれたからと夕食のおかずをお返しをして、たまには手作りのデザートなどが届く。毎日、お皿が行ったり来たりして、黒ヤギさんと白ヤギさんのお便りみたいに、終わりがない。


 お隣りに中国人のボランティア教師が入居してきて水餃子をいただいたので、お返しに寿司ときな粉餅を作った。もちろん、家族のようにしているチャールズたちの分も作りましたよ。


 今夜は、お隣さん家族からフランスパンのオリーヴオイルトーストとマッシュポテト&牛ステーキが届き、わたしはインゲンと豚肉の甘辛炒めをお返しにあげた。
 「卵、貸してくれる?」とか「トマトない?」「小麦粉ない?」なんて毎度のこと。ひと昔まえの日本みたいで、懐かしい気がする。


 朝な夕なに顔を合わせて、部屋に居ながらにして隣と会話できる。プライバシーもなにもあったもんじゃないが、「子供がね.....」とか「もう、タイ人の先生なんかさ....」などとお互いに憂さ晴らしをしていると、ストレスもたまらない。
 それに、料理はストレス発散にいいし、「おいしい〜!」と喜んでもらえると単純に嬉しい。お互いにいい笑顔になって、いいことづくめだわね。


 明日は授業がないので、わたしがインデアンカリーを作る予定。
みんなでランチ。料理は一人で食べるよりはみんなで食べるほうが、絶対に美味しいわね〜!


志の輔「三軒長屋」https://youtu.be/D7vAu-CVRM0