忍ぶ会

 仕事が順調に終わり、亡くなった元上司を忍んで我が家で飲み会をした。
旧石器時代に明るかった元上司は北海道の旧石器時代の先駆者的存在でもあった。病と戦いながら最後まで現役をこなした。まだ活躍できたのに惜しいと思う。



 30代で発掘作業のバイトに出てから、25年間この仕事に拘わる事になった。
縄文の文様に興味を持ち、その施文方法を自分なりに研究していたこともあり、毎日が面白かった。わたしの考古学入門はここから始まった。経済的には大変だったが、今になると良かったと思える。

 登別の高台にあった発掘現場で、健さんの映画「幸せの黄色いハンカチ」を真似て沢山のハンカチを黄色に染めたことがある。ハンカチは映画のシーンのように風にはためいて、素敵だった。
 

 子育て中だったので、現場見学がてら田舎で夏休みを過ごせた事や、仕事仲間が同じ年代であったこともあり子連れでスキーや海水浴に参加できたことなど、数々の思い出を仕事仲間と共有できた。



 今年は元職場の上司が二人亡くなって、ひとつの良き時代が終わったと、寂しく思う。
 ーーーともに安らかにあれ。健さんも今年逝ってしまいました。