お茶タイム


 ミントが安かったのでミントティを作った。
と、言っても生葉をちぎって、ポットに入れお湯を注ぐだけ。
 

 初めて旅したモロッコで、毎日甘いミントティを飲んでいた。暑いときは熱いお茶がいいんだそうだ。
旅した国は体のどこかに染み付いていて、ひょんなときに思い出す。


 ミントティとシシカバブの匂いはコバルトブルーの空と赤い砂漠を連想させ、黒い衣装に包まれた黒曜石のような瞳を思い起こさせる。
たかがミントティ。されどミントの香りはわたしを遠いサハラ砂漠へと誘ってくれた。