お上がり


 国際免許証の手続きや修理に出したプリンターを受け取りに街中にでかけ、申請の合間に東急ハンズで軽いスーツケースをチェックしよう、と立ち寄ったらイチゴの友人とばったり出合った。
「え〜、なんという偶然!署名運動の用紙が届いたから連絡しようと思ってたのよ」と立ち話。お互い1時間ほど余裕があったのでお昼ご飯を食べる事に。美味しい中華屋さんが近くにあるとのことで入った。 


 彼女はひらひらフリルのついた白いブラウスを着ていて、とても素敵なので
「いいねぇ、元気出るわぁ!シニアはみんな煮しまったような洋服を着てて、顔が冴えないもんねえ....。」と口の悪いことを言ったら
「これね、娘のお上がりなの、自分では買わないデザインね」とのことだった。ーーなるほど、いい考えですね。



 そのとき、わたしは紺とグリーンのボーダーのシャツを着ていて、それも娘の幼稚園の運動会に着ていた記憶がある。ということは、30年も同じシャツを着ているんだね。おまけにそのシャツは「それいいね!」と友人から奪ったもの。ーーわれながら、すごい!
 長年着ているのは、洗いざらしのシャツって皮膚の一部のように着心地がいいからで、汗をかいてシャワーを浴びたあと、洗いざらしのシャツに頭を入れるときの感覚が好き。超〜幸せじゃん!と脳天気に思っている。

 

ーーう〜ん、しかし反省。顔が冴えない分、パリットしたシャツを着ないとね。それに、おしゃれは冒険が必要なのね、と思ったことでした。