ひなまつり


 〜♪あかりをつけましょぼんぼりに おはなをあげましょ桃のはな 五人囃子の笛太鼓、今日はたのしいひなまつり〜♪



こどもの頃、ひなまつりには母のちらし寿司と太巻きを食べた。
道南の田舎では「娘3人もてば身上つぶす」と言われていたけれど、母は3人の娘をもって幸せだと言っていた。
 手先が器用で和裁や洋服を仕立て、冬には温かいセーターを編んでくれていた。母のそばで毎年手袋を編んでいたけど両方編み上げたためしがなく、片方は母が編んだものだった。ひなまつりに.遠い国で母のことを思い出して懐かしんでいる。



 今、ホームスティしているアンジェラはわたしと同世代。彼女は末ッ子で、お母さんは100歳、すぐ上のお姉さんは75歳、4人姉妹はいまも健在だそう。お姉さんは車も運転するし、明日からアイルランドへ1週間の旅行に出かけるそうだ。


---- みんな元気でいいことよ、おらもとのようにマメ(豆)にはなれん.....すんだりべったりこ


 宇野重吉の「日本昔ばなし」を思い出しましたよ。こんなお話です。ー豆腐の病気
だいこんさんが「豆腐さんが病気だから、みんなでお見舞いに行きましょう」と人参さんを誘いました。人参さんは「いま、おら酒飲んでいるところで、顔がまっかだから恥ずかしい、先にいってくれい」と言いました。それでだいこんだんはごぼうさんのところへ行きました。ごぼうさんは「いま畑で体が真っ黒だから.......」と言いました。それでだいこんさんは一人で豆腐さんのお見舞いに行きました。
 そしたら、豆腐さんが「みんな元気でいいことよ、おらもとのようにマメ(豆)にはなれん」と言ったんですね。


 この朗読は宇野重吉が入院していたときの最後の仕事だったと思います。温かい声が耳に残っています。