縄文の微笑み


 土偶を実測している。
縄文土器の1ミリメートルのつぶつぶを描いていると、うんざりして鬱になりそうだったので、久々の土偶に、にんまり。
「まあ、よくいらっしゃいましたこと!」といそいそと座布団でも出したい感じ。



 この縄文晩期の女性は微笑んでいるような、考えているような、なんとも不思議な感じだ。こんな顔は現代にないんじゃないか?と思う。どことなく品のある縄文女性は頭がよさそう。育ちも良さそうで、じっと見ていると引込まれてしまう。
 おなかが膨らんでいる個体は妊娠しているのかもね。腰に手を当てているポーズはなんともセクシーだ。体にペインティングしているから男性かもしれませんね。
 縄文時代から入れ墨はあったんだろうか? そう言えば、モロッコで結婚のとき手足にヘンナという薬草で幾何学模様を描いていた。ということは女性だろうかね...? 



 ところで、人形でもそうだけど顔が一番むずかしいんだよね。
目の傾きや口角の上げ、下げで表情が変わってしまう。じっと見て、自分が感じた印象を表現できるよう、なんども書き直しをした。一日かかり、3個体の土偶が完成。ついでに、赤いもみ布に乗せて記念撮影までしちゃいました。