Knitting circle


 毛糸が恋しくなる季節です。
編み物が好きで家族の冬ものは手編みしていた。手袋、帽子、セーターはもちろん、ニットのスーツまで編んでいましたね。そのうち、手紡ぎを覚え原毛を染めて糸を紡ぐようになり、それが高じて機織りを習うことに。


 休日は機織りをしていたが、年中、山に登るようになり、機はテント干場になってしまいました。
そして、その後、山ん姥はあやしい日本語教師に変身したので、いまも織手のないスェーデン製の大きな機が居間を占領している。もう機織りをすることはないかもしれないのに、動けなくなったらまた始めるからといいわけし、手放すことができないでいる。


 アラスカのアーチストの友人、シャーロンは、出会ったとき機織りをしていたが、その後ガラス工芸に変った。機は友人に譲ったがアトリエには大量の毛糸が残されていた。雪が降るころになると編み物を始めると言う。彼女のオリジナルなデザインと配色は素晴らしく、おみやげにシャチを編み込みした帽子をいただいた。


 3年ほど前に遊びに行ったときは、毎週水曜日にご近所さんが集まって、おしゃべりしながら編み物をしていた。保存食作りに忙しい夏が終わり、夜が長いこの時期はコーラスディがあったり、お茶会をしたりとコミニュケーションを大切にしていた。この時期にカップルが別れたりすると、鬱になるひとが多いのだと言う。こんな集まりを持つのは人々の知恵なのかもね。


 わたしもコーラスに参加したり、毛糸をわけてもらい、久しぶりに帽子とくるくるマフラーを編みましたよ。アラスカの森の中のログハウスで、ひとり暮らした2ヶ月間、寂しく感じることはありませんでしたね。



 もうすぐクリスマス、カラフルな毛糸を指に絡めたくなりました。