「ATOMIC MOM 」A documentary by M. T. Slvia


 北星学園大学、北星キネマ塾でドキメンタリー映画「ATOMIC MOM 」を観た。
シルビアさんの母親は核の開発に携わった。そして、原子爆弾が日本の広島、長崎に投下され、10秒で12万強の命を奪い、一瞬にして広島は消えた。当時の広島の人口は42万人でその後5年間に20万人の人々が亡くなった。
 広島で被爆した女性の岡田恵美子さんと、当時アメリカ海軍の核実験のオフィスで働いてたシルビアさんのお母さんとの二人の女性を追ったドキメンタリーだ。


 アメリカのネバダ山脈やニューメキシコで繰り返された原子爆弾の実験はずさんなものだった。多くの兵士が防護服を着ずに作業し、核開発に携わったシルビアさんのお母さんは被爆した実験動物の観察に当たった。ねずみから、豚、そして犬へ。
実験が犬になったときは胸が痛んだと言う。それらの動物は殺傷したあと、皮が残らないように焼かれたという。最終的に広島、長崎に原爆が投下されたことで、実験に人間が使われたということになる。どうしょうもなく重い事実だ。



 2005年、アラスカのセーラが大阪大学の美術科に留学して来たときに「どうして、日本人はアメリカを憎まないの?」と言われた。広島の平和記念資料館を見学したのだ。
 わたしは「アメリカは好きじゃないよ。でも、セーラやセーラの住むヘインズの人たちが好き」と答えた。
国としての単位で捉えると漠然としていて単一的だ。歴史的事実がそのまま好き嫌いに繋がることもない。アメリカは嫌いでもアラスカの友人たちが好きだ。中国が好きじゃなくても、中国人の友人、インは好きだ。そんな風に世界が広がっていったらいいと思う。


 タイでいくつかの国のニュースを見ていた。毎日、内戦の犠牲になった死者の数が報道されていた。いつ平和になるのだろう。
パキスタンのマララさんの平和へのメーセージをこころから応援する。
「・・・・一人の子供、一人の教師、一冊の本、一つのペンが世界を変えることができるのです」


ATOMIC MOM  http://www.youtube.com/watch?v=wezh9saXgo0
マララさんスピーチhttp://www.youtube.com/watch?v=iak1X8VedW0