斬新な器

 縄文時代前期(後半〜中期)の円筒土器の中に斬新な器が1点あった。
ん、なかなかなかすてきじゃん! トマトをてんこ盛りにしたら映えそう? いまから6000年まえにトマトがあったかどうかわからんけど、浅鉢には野草でも入れたんじゃろか? ほなら、ちょっと野菜でも入れてみようかしらね。きっと、この器は縄文の村で話題になっていたに違いない。


 

 以前、山で知り合ったアーチストの個展へ顔を出したら、3本足のカップを展示していた。手捻りで素朴な感じは悪くないけど、美しさからはほど遠い。
「わたし土器描いているんだけどさ、一度、土器を見においでよ。縄文時代の人たちは素晴らしいンだから!」と頼まれもしないのに縄文人の肩を持ち宣伝してしまった。



 縄文時代晩期になると、繊細な文様の香炉なんかが出土して、どうやって作ったんだろうと思う。
マネて土を捏ね焼いてみたけど上手くいかない。土は乾燥させている間に縮むから器形のバランスがとれなくなる。それに、薄いのだ。野焼きだから火が弾けると割れるしね。とういうわけで、縄文土器は作るもの焼くのも難しいのだ。
 手捻りは釉薬をかけて電気ガマで焼くと上手くいくから、センスがあるとおもしろい器ができあがること開け合います。