三内丸山遺跡へ


 今自宅でしている土器作図の仕事がこの時代、縄文中期(5500年〜4000年前)のもの。
三内丸山遺跡にある展示室に入ると、ややや、ひな壇に我が家の机の上と同じ型式の土器がところ狭しと並んでいます。
 円筒土器といわれるずどんとした煙突のような形で、土器上部外側に帯状粘土をデコレーションしたり、また土器表面に繊維に撚りをかけた凝った縄紐を回転させたり、押圧したりするのが特徴です。


 眺めているだけなら楽しいのですが、これを作図するとなると縄紐の圧痕の粒ひとつひとつを描き入れるので、仕事とはいえ「もう、いいかげんにしてよ!」と腹立だしくなります。
 縄文時代の人に腹を立てても仕方がありませんが、ものすごい凝りようです。縄紐を棒に巻き付けたり、挟んだり、瘤を作って綾くり文様を作るだけではなく、2本の紐を絡めて様々な文様を作り出しています。まあ、とてもきれいなのでたぶん織物も発達していたと思いますね。遺跡見学は仕事の延長のような気分になります。


 案内してくれたのは縄文おたくのおばちゃんでした。小学生の時から発掘していたんだそうな。
———まあ、盗掘だわね。その昔、うちの子供も雨上がりには切り通しで土器の破片や石器を拾っていました。
 広大な縄文の丘に村が再現されていました。遺跡を建物で覆って保存した発掘現場を数カ所案内していただきました。暑いので、中は蒸し風呂のようです。
 「あっつつつつ〜、暑くてたまらん!」と途中で説明をパスして物産展へ避難しました。林檎ジュース、林檎酢、林檎シャーベットアイスが美味でした。
縄文まんじゅうがあったりして?と思ったらなかったですね……。