「Tsunami」青森県立美術館

            地球は回り
            月は欠け
            潮は引き
            大陸は深い
            地底は滑り


             津波


            地底は慎み
            大陸は漂い
            潮は差し
            月は満ち
            地球は回り


 高さ10メートルの壁面に作られたリチャード・ロング氏の泥の作品は圧巻である。
画面を上下に二分し、下半分は水柱をイメージしている。上には江戸小紋のような文様が。なんだろうね......。
 しばし佇み、片側の壁面に書かれた文字を書き写そうとしたらペンがない。口紅ペンで書いていたら学芸員がえんぴつを持って来てくれた。それが上記の言葉。


 東北大震災で種差海岸も被害を受けた。
三陸海岸に暮らす人々の写真展と東山魁夷「道」を見る事が出来た。これは種差にある道なんですね。なぜか魅かれるこの作品は説明文を読んで理解できた。
『この作品の象徴する世界は私にとっては遍歴の果てでもあり又、新しく始まる道でもあります。それは絶望と希望の織り交ぜられたものでありました』


 そして、常設展で佐野ぬいさんの作品を見る事ができました。
素晴らしい青の世界です。この色彩の感性は日本人とは思えません。フランスに憧れ、実際に旅行もされたようです。まだまだ、新しい世界が広がっていくでしょうね。


 青森美術館の外観はただの白い箱のようなんだけれど、展示室の高さが10メートルはあるゆったりした空間で地下展示スベースがあり、ここも同じくらいの天井の高さがあるのでとても開放感がある。
 エントランスから最初の10メートルの高さの展示室に、シャガールのバレエ舞台の背景画が3方の壁を埋め尽くしている
「わあ〜、すごい!金持ちだあ、この美術館.....」と絶句。体の中までシャガールが浸透してくる。


 それから、奈良美智さんのどでかい「あおもり犬」がありました。この人の作品はニューヨークでも見ましたよ。可愛くない表情の子供の絵が印象的です。
 太宰治寺山修司棟方志功、佐野ぬい、奈良美智と並べたたけで、青森県ってすごく面白いところだと思いましたね。東北再発見の旅でした。


明日は三内丸山遺跡へつづく

佐野ぬい http://youtu.be/2mavrVIys70
リチャード・ロング http://www.aomori-museum.jp/ja/blog/