新道展


 高橋靖子さんの油彩を見るため市民ギャラリーで行われていた新道展へ出かけた。
壁に所狭しと掛けられた絵の中を通るにはエネルギーが必要だ。それぞれの絵のパワーが空間に渦巻き、不協和音を発しているので酔っぱらったようになるから。
 受付で彼女の作品の展示場所を聞き、一直線にそちらへ向う。遠くからでも色使いですぐにわかりましたね。
 トンボを正面に描き、そのまわりに細かな文字が日記のように並んでいる。色文字は織られた横糸のようにグラデーションを生み出す。
 彼女は「その日の出来事を印しているので、絵を見るとそのときの時間に戻れるのよ」と言っていた。そうね、こんな絵もあっていい。

 帰りがけに気になった彫像がひとつ。後ろ姿がいい。