写楽
日本文化の紹介に写楽を描いた。
北斎の赤富士もそうだったけれど、色が少ないというのはインパクトがある。コピーしていてもどきっとする。おもしろいし、それに男前だと思う。
江戸時代、版画は人気役者のプロマイドだったというから、いい男を誇張して版木を作っていたのかも知れない。
いい男といえば、今日、人気歌舞伎役者の中村勘三郎さん(57歳)の訃報を知った。
朝日新聞の天声人語によると、地方公演の楽屋で、女形の化粧を落としていると「拍手が鳴りやまない」という。コールドクリームまみれで舞台に戻ったサービス精神は語り草だそう。
テレビでしか拝見したことはないが、男前であり、かつチャーミングな人だと思った。女形に変身するさまは素晴らしく、一度本物の舞台を観てみたいと憧れていた。たいせつなものををひとつ無くしたような、寂しい感じがする。ご冥福を祈る。