続「In to thin air」エベレスト遭難

 週末、エアコンが不調、サウナ状態の部屋で「エベレスト遭難」のくだりを読んでいた。扇風機を回しても汗だくで、首にタオルを巻き水浴びしながら辞書片手に大奮闘していた。
 突然のストームに襲われた公募登山のパーティのメンバーが遭難するシーンは想像に絶する。寒さと荒れ狂う強風の極限状況でそれぞれのパーティのリーダー、ロブとフィッシャーはメンバーを確認しサポートしようとするが限界を越える。
 フィッシャ—は行方不明になり、怪我をしたロブはSouth summitに残された。そこで心配した奥さんからの電話を受け取る。
「I just know you’re going to be rescued, Don’t feel that you ‘re alone, I’m sending all my positive energy your way!」心配する彼女に自分の状況は伝えず
「I love you. sleep well, My sweetheart. Please don’t worry too much.」
この会話はドキメンタリー番組で放映されたので世界中の人々が涙を流しただろう。


 そして、自分と同じ年齢だった難波康子さんのシーンが心に留まる。彼女は毎日インスタントラーメンを食べていたとか、ヒラリーステップでは後ろの登山者がお尻を押し上げたとか、最後まで一緒に行動していたベックと遭難し、発見されたときは手袋をしていなくて指は凍り付いてよじれていたとか。究極はまだ生きていて、何か言おうと口をもぐもぐさせていたベックが、死者として残されたのだ。痛ましいシーンが続いて頭がぼ〜っとしてきた。


 あまりの暑さに、こわれたエアコンを見ようと椅子に上がったら椅子のキャスターが動いて落ちた。キャスターが付いているということは当然動く可能性がある。こんな小さなミスは山だったら遭難に繋がる。

 残すところ50ページほど。