日本語を勉強したい!

 後期の授業が始まって、また「日本語を勉強したい!」という生徒がわんさか押しかけ、騒がしい生徒たちに取り囲まれた。わんわんなにか喚いていて、まるで蜂の巣を突っついたような騒がしさだ。
「めちゃい!チェンジできないよ。Can not change subject!」と言ってもわからない。前期と後期で語学選択の入れ替えがあると、授業が成り立たないので1年間フィックスにしたのだ。

 学校の方針は、中学生は中国語を必修とし、そのうえ日本語とベトナム語のどちらかを選択する。高校生は日本語とベトナム語、中国語のいずれかを選択することになっている。
 現状は、ほとんどの中学生が日本語を選択し、ベトナム語はクラスの数人のみ。高校生はクラスの半数以上が日本語を選択し、残りの生徒を中国語とベトナム語で分け合っている。
 高校生の日本語クラスは60人にもなり、中国語とベトナム語は20人弱だ。不均衡だが高校生に日本語を学ぶチャンスを与えたいと言うことだ。正直言って教えるどころの話じゃない。
 そんななかで日本への親善留学のための特別レッスンもしているので、目が回る程忙しい。

 昨夜、アパートに中学3年生の生徒たちが5、6人押し掛けた。「日本語を勉強したい!」という。
「たまい?(なんでまた…)」と訊いてもタイ語がよくわからない。
「みんな、日本語コンテストの試験を受けたいの?」と英語で訊くと、
「週に一度、特別レッスンを受けたい」と言う。日本語を勉強したい生徒が15人いるそうだ。
 嬉しいような、困ったような…。いったい、どういうことだろう?