後期

 後期の授業が始まり、生徒たちの顔を見ると単純に嬉しくなる。
しかし、喜んでばかりはいられない。またまた、電気代支払いの話が持ち上がり、わたしと英語教師のケスは1500B、ベトナム語教師のアナと中国語教師のテアがそれぞれ5000Bの支払い命令が出された。
 アナとテアは「どうしょう?お金を借りてるので返さなきゃいけないし...マキはどうする?」と騒いでいる。
「わたしは同意しませんよ!」と昨夜寝ながら対策を練った。

 ヤイムアジアの契約書があったことを思い出して、それを盾に
「ここに、校長のサインがあります!この契約書で赴任したのだから、守らないと次回は誰も来ませんよ。とくにここは田舎だしね」と念を押した。
 チユンポーン先生は「その契約書なら、俺も持っている」と返そうとしたが「あなたは、もう一度校長に交渉すべきよ」と胸に押し付けた。

 午前中の授業をしていたら、チュンポーン先生が日本語教室にやって来た。
「電気代は支払わなくていい」とのことだ。「ほうら、やればできるじゃん」校長は契約書に「住居、水道、電気代は学校が提供する」と記載されていたことを知らなかったようだ。
 突っぱねてよかった。支払わずに済んでやれやれでございました。もちろん、外国人教師全員が支払わずによいことになりました。めでたし、めでたし!