校庭の木

 校庭の木がまとめてばっさりと伐られ、根元から掘り返されてしまった。
校舎を暴力的な暑さから守り、中庭の通りは木陰を作って緑が目にやさしかったのに、どうしてこうばさばさと伐採してしまうのだろう。
 昨年は、空に大きく傘を広げていたねむの木の大木が倒されてしまったし、アパートの前の小道に緑苔を作っていた樹々のトンネルも伐られてしまった。ねむの木の切り株は直径1mもあり、さすがにこの時は、あんまり悲しくてチュンポーン先生に文句を言った。

ーあなたの国は緑の樹々が美しいのに、どうして伐ってしまうのかーーーーと。


 伐られた樹々は校庭に痛々しい姿で横たわっている。木霊というではないか、樹々にも魂があるように思う。