陶芸の町 シーサチャナーライへ


 タイの北部には、中国元朝から陶芸を学んで生み出したスワンカローク焼という独特の陶器がある。
アナのフランス語のガイドブックによると陶芸博物館(The Sawanvranayok National museum)の近くに陶芸の町があるとのこと。
 バスステーションで、町の名前をタイ語で書いてもらいバスに乗った。まず、陶芸博物館を見学したいので博物館の名前を見せてバスを降りた。ところが町中にはないとのことで、トクトクのおじさんが高い金額をふっかける。交渉が難航しているところに、おじいちゃんトクトクが現れて、3人で往復100Bでの交渉が成立。やれやれ、一件落着。
 しかし、ガイドブックにも地図はないし「このおじいちゃん、だいじょうぶかな?」と不安に思う。暫く細い道を行くと、博物館の看板も見えてほっとする。
 ここは個人収集をオープンした博物館らしい。展示はあまり多くないが中国の青磁や浮き彫り文様の皿、またインドの影響が見られる彫像などがあって興味深かった。





 博物館の学芸員に陶芸の町を聞いて再度バスに乗る。
すると、また問題が?バスの運転手が何か言っている。観光客はオールド・シティで降りるから、ここで降りなさいということらしい。
「わたしたちは陶器を買いに行くの、ショッピングよ、ショッピング!」と言っても通じないので、皿やコーヒーカップなどの絵を描いて見せる。バスを降りずに1時間あまりで目的地のシーサチャナーライへ到着。しかし、着いてみると普通の小さな町で陶芸らしきものはなにもない。
 アナとわたしは小さな陶工房のある町並みを想像していたので、えっ?いったい何処にあるんだろうと急に不安になった。
中国の金ショップに入って、タイ語と絵を見せて「ショッピング、ショッピング!」と言いながら「テーナィ?(どこ)」と聞くと、ここから20キロはあると言う。そんな遠くじゃ4時半のバスで戻れないじゃん。
 トクトクの前で、「これじゃ、遅いから無理」と、行く、行かないでもめていたところに、バイクタクシーのおっちゃんが登場。交渉の末、1台200Bで成立。怖がるアナを二人乗りにし、わたしとコウスケ君は三人乗りで山中の陶芸の村に辿り着いた。

 緑したたる森の小さな村に数件の陶工芸の露店があり、着いたときは「これ、これ!ここよ、ここ!」と感激した。
 その村で古ぼけた皿一枚を買った。ふう〜、この皿一枚のために一日を要した。