やる気の無い子供たち part 1

 放課後、オフィスに忘れ物を取りに行ったら、英語教師のケスがプライベートレッスンをしていた。
子供達3人がソファにだらんと寝そべっていて勉強する体制ではない。
「なにしてんの?」と訊くと、「いまゲームしていたところ」と言う。くにゃんとした生徒たちに英語で話しているが、何も聞いちゃいない。親が生徒に課外レッスンを受けるように強制しているのが目に見えるようだ。
「そんなこと英語で言ってもわかんないでしょう」と思わず口をだした。ケスもほとほと疲れたらしく、今日はこれで終わりにするとテキストをしまいながら、生徒たちの親がレッスン代を支払わないと嘆く。
「ひとりいくらなの?」と聞くと「1時間でひとり100B」と言う。
「で、何人いるの?」「4回で合わせて15人くらい」とのこと。
「そんなの、時間のロスだから、2クラスくらいにまとめちゃえば?」と言うと、生徒の時間割に合わせるとそうもいかないらしい。
 勉強したくない子供に勉強させたい親ごごろ。タイの親は生徒の勉強のためならお金をおしまない。ここの生徒は特別だろうと思うけれど、なんだか先週カラシーンで出会った、夜店で働きながら勉強している生徒たちを新鮮に思う。