イサーン在住の日本人

 タイ東北部、イサーンに住む亀さんとモエさんが遊びに来てくれた。
お二人はタイ人と結婚している。文化や慣習の違いによるストレスも多いのではないかと思うのに、亀さんは溌剌としていてとても70代には見えないし、いろいろあった人生で今が一番幸せ、と断言する。今が頂点だから、この先が心配とおっしゃるが、なかなかどうして、このまま幸せに暮らせそうな気がする。そんなパワーを持っている。
 モエさんは普段はさとうきび畑で忙しいご主人を今日のために予約し、お子さんを連れて家族で来てくれた。発達障害のお子さんの世話だけでも大変なのに、わざわざ学校まで尋ねてくれて、嬉しく思う。
「ほんとに刑務所のようだね」と笑う。「そうなのよ、わかるでしょ?」


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 話題はタイの若い女性にだまされる日本人。退職後、女性に入れあげてすっからかんになり、日本に帰るに帰れない人もいるそうだ。ボケたりしたら最悪だ。
 その逆のパターンもある。若い日本人の女性がタイの男性に入れあげるケース。男性には数人のガールフレンドがいて貢がせるだけとか。タイでは、日本人は金持ちだと思われている。
 自称、もと遊び人の亀さんは「女遊びはもっとスマートにやらなきゃダメだ」と言う。入れあげちゃだめなんだそうだ。女房と愛人にはなんでもフィフティ、フィフティでしてあげるのが原則とか。そ〜か、そういうもんなんか、と男の言い分を聞いていた。
 周りには、本当に笑える話がいくらでも転がっていて、老齢の男性が入れあげていた女性に全てを車に積まれて逃げられてしまった話などなど、やっぱりね〜と笑ってしまった。

 どうなんだろう……それでもなにもないよりは、幸せなんじゃないだろうか。