タイ・カスタム

 ビザが切れるので更新に行った。
1時間半程離れた街、サコンナコーンのイミグレーションでワーキングビザの更新をし、3800B支払ってリエントリービザも一緒に更新した。

 ワーキングビザの2100Bは学校で支払ってくれるが、海外に出るためのリエントリービザは個人負担だ。けれども、チュンポーン先生はいつもわたしに「両方の領収書をくれ」と言うのだ。
 1年目はリエントリーをマルチビザに取り直したので、4800Bかかり、2、3年目は最初からマルチにしたので3800B×2=7600B。これをいつも学校からお金を貰って自分の懐にいれている。
 今回も領収書をくれ、と言うのでしばらっくれて、「これはわたしが払ったものだから」と言ったら言い訳を始めた。
 今日も自分の車を使っているし、ガソリン代がかかる。イミグレーションで早く続きをするためにはチップを払わなければならないし、外国人の語学教師の世話はお金がかかるというのだ。
 ん?いつもサコンナコーンのイミグレはガラガラでチップを払う必要はないし、ガソリン代だって年に1度しか更新にいかないのだから、そんなにはかからないでしょう。
 要するにお金がほしいのだ。これはタイのカスタムで公務員の特権だそうだ。
「はぁ〜?日本で公務員がそんなことをしたら、即、首!」と首をちょん切るまねをしたら、「シリアスだね」と笑っている。
 

 タイの公務員はアルバイトが許されていて、学校で堂々と私設塾を開いて生徒からお金を集めている。道理でみんな安月給なわりにいい車に乗っている訳だ。チュンポーン先生も新しいランクルを買い、春休みはアメリカへ1カ月半の研修に行っている。
 やぁ〜、わたしも年を重ねて、こんなことは何処の国でもあたりまえに行われていると頭ではわかっていても、目の前にその人物がいるといい気はしない。なんじゃいね……ようわからん。