ドラえもん

 日本語教室のドアが殺風景なのでドラえもんのボードを作ることにした。
日曜日、朝から部屋を散らかしてドラえもんの絵を描いている。今頃になってこんなことをするなんて人生わからんもんねぇ…と思いながらも生徒たちが喜ぶ顔が目に浮かぶ。タイではなにがなくえもドラえもんは絶対的な人気なのだ。


 生徒のなかに、日本人を父親にもつ兄妹がいる。チトー君と小百合ちゃんだ。
日本語はほとんど話せないが、日本の文化にすごく興味を持っている。日本に行ったことはないそうだ。
 中学1年生の小百合ちゃんはスタジオ・ジブリのアニメが好きなんだそう。廊下に飾っているコピー写真を見て、「トトロが好き!」と言った。「そう!わたしも好きよ」と意気投合。
 トトロを1年生の授業に使うことにした。今年の1年生は資質がいいし、落ち着きもあるので授業するのが楽しい。言葉を学ぶことにきらきらしていて眩しいくらい。いままでは猿山軍団を相手に奮闘していたからねぇ。
 良ければよいで、ことしもなんだか忙しくなりそうな予感がする。