映画三昧

映画三昧
 朝から街に出た。友人に会い、山の店に行き、パソコンのワークショップに参加し、「川島小鳥」の写真展に行った。その合間を縫って映画を3本観た。




 1本目は「最高の人生をあなたと」
 老いに差しかかった熟年夫婦の離婚危機を題材にしたもの。パンフレットを見て、女優イザベラ・ロッセリーニが誰かに似ている?と思ったら、イングリント・バーグマンの娘だった。数日前に「誰がために鐘は鳴る」のDVDを観たばかりで、彼女は若かりし頃のバーグマンそのもの。そして、老いてなお美しい。
「君といると年齢を感じる」と夫に言われ、日々自分の老いを感じている彼女は落ち込む。これってなんだか身にしみるが、事実なので笑ってしまった。確かに、若い人たちに囲まれて仕事をしている人たちは若々しいから。


 2本目は「ポエトリー、アグネスの詩」
 久しぶりの韓国映画。最初と最後のシーンが印象に残る。入水自殺した少女が流れてくるシーンから始まり、主人公である初老の女性の入水を予測させるシーンで終わる。
 彼女は孫と二人暮らし。孫が自殺した少女に関わっていたこと、自分もアルツハイマーの初期症状にあること。そんな問題を抱えヘルパーをしながら詩作教室に通っている。「どんなふうにしたら詩はできるの?」と繰り返し尋ねる彼女に、講師は「良く観ることと」とか「感じること」と答える。いつも小さなノートを広げて言葉をメモしようとするが、ノートには何も書かれず、風の音が通り過ぎ、雨のシミが落されるばかり。彼女は自殺した少女の生きた証を求めながら、それを自分に重ねていく。
 最後に講師に花束とともに、少女に宛てた一遍の詩が残される。


 3本目は「昼下がり、ローマの恋」イタリア映画。
 恋騒動の物語で、笑えるような笑えないような。イタリアは食べ物とパッションの国。どこにでも恋がごろごろ落ちている。貧乏人も金持ちも美味しいものを食べて恋をする。人生にロマンスのスパイスは必要ね。

 陽気で、いいかげんで、おせっかいやきの人々が住んでいる田舎町から物語は始まる。
トスカーナに立ち退きの交渉に行く駆け出しの弁護士が、地元のおまわりさんに道を訊く。すると、べらべらべらとまくしたてるが、ちんぷんかんぷん。そこにおせっかいのおじさんがこれなら解り易いだろう、と自信ありげに教える。
「そうそう、そうなんだよ、イタリア人って」と笑ってしまった。
 昨年の春、イタリアのベローナに住むマリナのところに居候していた。1年振りのイタリア語が妙になつかしく「いいなあ、やっぱりイタリアは」とお尻のあたりがそわそわしてきた。
「人生に必要なものはパッションよ」と言っていたマリナ。恋に悩んでいたマリナ。結末は如何に? 


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