タイの結婚式

 タイの結婚式に出席した。
ノビタ先生の教え子が日本人の若者と結婚することになり、「タイ式の結婚式は初めてでしょう?」と言われ、ご好意で出席させて頂くことになった。
 タイでは結婚式も葬式もお坊さんが執り行い、朝のタンブンの時間にするのだそう。それで、出発したのはまだ暗い朝の5時半。タイだから6時頃かな、と思っていたら、5時に迎えの車が到着した。
「ーすごいね!時間より早いなんて」とびっくりして飛び起きた。そそくさと車に乗ると、なんと新郎がわざわざ迎えに来てくれたのだ。時間道りなのは日本人だからでしょうか。
 彼の話によると、結婚の申し込みに来たら、急遽、式を挙げることになってしまったのだそう。
 
 式場はコンケーンから1時間ほど離れた新婦の自宅。美しい田園風景のなかに、一階がオープンのタイ式の家がぽつんと建っていて、広い前庭の芝生がきれいに刈り込まれている。朝もやの樹々の間からオレンジの太陽が昇り、あたりをピンク色に染めていった。
 日の出とともに9人のお坊さんのお祈りが始まった。日本では「9」は「苦」とかけて縁起が悪いとされているが、タイでは神聖な数なのだそう。それに、お坊さんは「ひと」ではないので数詞が違う。「一人、二人、三人のお坊さん」とはカウントしないのだ。それだけの数詞かしら?なんの仲間なんだろう。
 読経を聴きながら、神妙な、また神聖な心持ちになった。お祈りが終わり、お坊さんが二人の手首に白い糸を結ぶ。すべてが新鮮な朝の光の中で行われた。

 その後、エンゲージリングの交換と、結納金をご両親にお披露目する。日本では若者のの間では結納を交わさないことが多いが、タイではたいへん重要な儀式なのだそう。
 そして、お坊さんに見習って、お祝いに集まった家族や親戚一同、友人たちが新郎新婦に白い糸を結んであげる。
 

 庭にテーブルが設置され、祝宴が始まった。もちろんカラオケもある。
親族、友人一同、美しい新郎新婦とともに繰り返し写真に収まって、お二人の門出を祝った。

 心から、おめでとう!末永くお幸せに。