てんやわんや その2
グレードがゼロの生徒たちが押し寄せてたいへんなことになった。
ろくでなしの4年4組は、テストのやり直しをしたいと言い出すし、わたしの机の周りに、昨年の生徒のアサイメント(提出物)のボードを持ってきて見せ、グレードを上げてくれと言う。
「何言ってんの!それは、あんたのじゃないでしょう?」わたしゃ、怒ったね。ずうずうしいにもほどがある。
受け付けなかったら、日本語を専攻したパーミー先生を連れてきた。グレード、クレードを、と頭上で喚くので、まるでミツバチの襲撃に合ったよう。暑いし、脳みそが茹で上がり、たまらなくなって宿舎に戻った。
そうしたら、また4年1組の生徒たちが宿舎のドアを叩いて、アサイメントのボードを見せてグレードを1から4に上げてくれと言うのだ。
これで教室にアサイメントのボードが溢れている訳がわかったぞ。ゴティ先生がゼロからの救出作戦やグレードアップにアサイメントを提出させたのだ。
どうにかして、ゼロから脱出したい生徒は、試験の受け直しをした。それも前に受けた生徒の答案を引き出しから持ち出してコピーしたらしく、机に答案が散らばっていた。
試験で満点をゲットしても、中間、期末試験と計40点なので50点に満たないから「1」にはならない。出席してさえいれば試験がゼロでもグレードは「4」になるように設定したのだ。だから出席していた殆どの生徒が「4」だ。
ちなみに360人の生徒のうち、グレードゼロは1年生が9名。2年生が4名。3年生が0。4年生が19名。5年生が11名。6年生が10名の計43名。昨年は中学生全学年でゼロは5名だった。