In Yangon 2012/1/14

  格安チケットのエア・アジアは満席で機内にいろんな言語が飛び交う。スペイン語、フランス語、ロシア語、タイ語にもちろん英語も。年輩の欧米人が多く、日本人はわたしだけ。小さな飛行機なのでアットホームな感じ。ロシア人のおじさん、おばさんグループが陽気にはしゃいでいる。1時間半で近代的なヤンゴン空港に到着。(中国の資本とか)
 旅友のピーターが迎えにきて郊外の古びたホテルに案内してくれたが、まわりは屋台が立ち並び、通りはゴミだらけで、とんだところにきちゃったな?と思う。
 それに、ホテルの支払いはUSドルでいいのだけど、ピン札じゃないと受け付けない。折り目があっても端が折れていてもいけない。きれいな100ドル札を渡しても、札を透かし、ひっくりかえして調べている。偽札と疑っているようだ。にこりともしない女支配人は傲慢な感じで客商売とは思えない。
「なんか、ストレンジな国.....」
ヤンゴンだけなんだけど、おかしなシステムなんだ」とピーター。
 なにはともあれ、通りに出てビールで乾杯!
エア・アジアは機内の飲み物、食べ物すべてにお金がかかり、何も頼まなかったので喉が渇いていた。一杯目をぐっと飲み干し。二杯目を頼むとき、ピーターが舌打ちした。
「こうすると、ウェ—ターがすぐ来てくれるんだ」
「へぇ〜、舌打ちするって日本では悪いマナーだけどね?」
「相手にいらついているときにするよ」とピーター。
「なんか、ストレンジ?な国ねぇ」と、おかしな国でビールのおかわりをした。


スーチーさんが解放され、街でポスターが売られていた。



シェタゴォン・パヤー(shwetagon Paya)

ヤンゴンの北の丘にあるミャンマー最大の聖地はホテルから歩いて15分ほど。
 朝食前の散歩がてら、えっさほいさと坂を登って行った。院内は素足で歩くことになっていて、ひんやりしたタイルの冷たさが足の裏に心地よい。日曜日なのでたくさんのお参りの人々で溢れていた。
 暗い室内階段の両サイドに仏教に関するお店が並んでいる。天窓は透かしの木彫で朝の光が差し込んで美しい。
 屋上に出ると、いきなり金色に輝く仏塔が目に飛び込んで来た。豪華絢爛な仏様と仏塔は日本ともタイとも、ネパールとも違う。お香の匂いとお経を聞きながら一周すると、体にありがたさが浸透していく。 
 お腹が空いたのでホテルに戻ろうと階段を下ったら、入ったところと風景が違う。変だな?と登り返して他の所から下ってみるがまた違う。またまた登り返して出口はどこ?と聞いたらエスカレーターの降り口を教えてくれた。降りたら駐車場だった。またまた違うじゃん。

「あれれ?わたしはいったいどこから入ったのだろう」駐車場のお兄さんに表の通りの名前を聞いても分からない。地図が読めないみたいだ。
 外に出て通りを歩いている人に聞いても分からない。運転している人なら分かるだろう、と駐車場から出て来る車を止めた。今度はちゃんと通りの名前を教えてくれたので自信をもって歩いていると後ろに車が止まった。
「間違えて教えたから、車に乗って」とのこと。助手席には既に女の人が乗っているのに、お尻をずらしてシートを半分譲ってくれる。後ろの座席にはお坊さんが二人。
 地図を見ながら、ああだこうだ、とお坊さんまでが心配してくれる。車を止めて人に尋ねてくれたりしてとても親切。いいのかしら?と思いながらくるぐる寺院のまわりを回っているうちに、もと来た坂道道りを発見。
「ここ、ここ!この通りを登ってきたの」と車を止めてもらった。
親切なドライバーとにこにことしたお坊さんに感謝する。
「う〜ん、いい国かもね.....」と爽やかな気持ちになった。