出前授業

 国際の交流基金のスタッフ、タケイ先生が出前授業にやってきてくれた。
彼は日本語教師をして数十年のベテランなので、この日の授業を心待ちにしていた。予め生徒のレベルを知らせ、先週の授業内容を伝えて準備をしてもらった。
 さて、当日。生徒はすてきなタケイ先生にきょろきょろしている。女の子は特に嬉しそうだ。やっぱり、女は反射的に男の声に耳を傾けるんだな〜、と思う。
 絵カードの使い方、イエス、ノーの手の使いかたなど勉強になりましたよ。なんせ、わたしは経験ゼロでずうずうしくも日本語を教えているからねえ。
 日本語教師は横のつながりが大切で、ひとりではアイデアも尽きてしまうし、他の授業を見て学ぶことや年期が必要なのだと思う。始めたばかりのわたしは、余裕がまったくなく参考書にかじりついている。これがだめならあれでいこう、と生徒は実験台のようなもんだ。
 寝ても覚めても授業のことばかり。タケイ先生に尋ねると、みんな最初はそうらしい。落ち着いて授業ができるようになるには10年はかかるだろうねえ。先がないというのに気が遠くなる話だ。


 夜は四方山話が満載。
「両手にアイスとコーラをもって、ゆっさゆっさ歩く太った子が多いよね〜、あれはジャンクフードのせい?」
「学校キャンプ引率のタイの男性教師たちが、夜になるとあやしげなカラオケバーに消えるのよね、これってあり?」とか、
「警察官が無免許運転を捕まえては金だけ貰って放すんですよ」それって、魚のリリースと同じじゃんね。放しておけばまた捕まえられるもんね。
 と、日本ではあり得ない話を肴にビールを飲み、タイの夜は更けました。


http://web.me.com/dreamispower/index/Welcome.html