ストーリー・テーラー

 ソンデットの英語教師が生徒にスピーチコンテストの指導をしていた。
派手な振り付けなので、スピーチというより一人芝居のようだ。生徒は仕切りのガラスに映る自分の姿を見ながら、なんども同じことを繰り返していた。
 フィリピン人の英語教師はレディボーイなので、振り付けが女っぽいのがおもしろい。生徒とともに笑い、驚き、怒っている。わたしは指導している彼を見ているのが面白かった。どうしておかまちゃんって芸達者なんだろう?と思ってしまった。いつも見られることを意識しているからか、自己アピールがすごく上手い。
 カウオンのゲットーから出ると、いろんな人がいて、いろんな世界がある。まあ、それだけで充分面白い。